ベリーダンスと女性性
先日レッスンで、ベリーダンス(オリエンタルダンス)は女性らしさをより強調し表現している踊りですよ〜とお伝えしましたが、もう少し詳しくお話したいと思います。
ベリーダンスの起源は、世界最古の踊りとも言われ、古代エジプト・ペルシャの壁画には踊り子の姿も見られますが、起源ははっきりわかっていません。
砂漠の民が大地を踏みしめるようにステップし腰を動かしたり、各地の民族の踊りが生まれ、また西方に移動するジプシー達が各民族の踊りを融合させていったり、様々な踊りが生まれてきました。
また踊りの意味も、「豊穣祈願」「女神信仰」「婚礼」「出産(練習・準備)」など諸説あります。
お腹や腰のなめらかな動きや、体をダイナミックに時に激しく震わせるベリーダンスは、自らの”女性性”を愛し、謳歌し、表現するダンスと言われています。
女性が人前で肌を見せることがないイスラム圏でなぜベリーダンス?と思いますが、女性達だけが集まる部屋ハレムでは、自由に踊り、時に音楽家を招き楽しんでいたり、また身内の結婚式などでは踊りながら祝福されてきました。
こうして現代に受け継がれたベリーダンスですが、男性に見せるためというよりも、自分の女性性を感じながら解放し感情やフィーリングを自由に表現しています。
特にアメリカでは女性解放運動とともに、女性の神秘性や美しさを表現する踊りであると、時代背景とも重なり発展していきました。
私たち日本人も、女性らしさや自分らしさは隠す文化、現代社会においても女性的な部分を意識して生活することもあまりないのではないでしょうか。
もっともジェンダーレスな社会になりつつある今、女性という言葉を使いにくくなっている感じもしますが・・
社会の中で生きるというのは、自分自身の感情や感性が優先ではなく色々バランスをとりながら生きていますよね。
時々自分の本当の気持ちがわからなくなったり、心が疲弊することも多々あると思うのです。
情緒豊かなアラブ音楽を聴き、感情やフィーリングを大切に踊るベリーダンスは、自分自身の中に眠っている女性らしさや豊かな感性を、引き出してくれるものだと私は思っています。