音楽以上でも以下でもない
日常が車生活な私は、車の中でラジオを聞くのが好きなのですが、
ふと耳に入ってくるメッセージや音楽が心に響くのが、なんとも嬉しくなる瞬間なのです。
この間、たまたまダンサーの方がゲストで、踊るジャンルや著名度は違えど、あぁ、やっぱり同じような事を考えるのだなぁと。
ダンサーとは何か、という事を考えたとき、音楽という聴覚でキャッチしたものを視覚という形に変えて表現するということ。
つまり、音楽以上のことやそれ以下では違う、ということ。
ありがとうや感謝の気持ちを表現している曲に、怒りのパフォーマンスは要らない、というような話をしていて。
ジャンルは違えど、ダンサーとして音楽をどう表現するかの根本の哲学的なことに触れられて、腑に落ちたりしました。
そういうわけで、私なりにダンスで音楽を表現するために、大切だと思うことシェアしようと思います。
特にベリーダンス、オリエンタルダンスでは感情を表現するというのがとても大切な踊りなので、そこを表現するのに私自身もだいぶ時間がかかりました。
今もまだ追求していますが。
*自分に対する許し、許容
始めたばかりのうちは、こんなのカッコ悪い、変だ、という気持ちが強く、上部を取り繕おうとする。
とりあえず何でも笑顔で踊ってる人とか。(あ、もちろん笑顔は大事ですが)
自分を美しく魅せることしか考えてない人とか。
表現とは自分を曝け出すことなので、それを自分自身か許容することがまず大切だと思います。
*曲を感じとる
音楽を聞いて自分はどう感じるのか。
またこの曲はどんな事を表現しようとしているのが、バックボーンを知ること。
*耳(聴覚)を鍛える
音楽をなんとなく聞くのではなく、
まずリズムを感じる事、グルーヴを掴む。
メインになる楽器の音、強い音、
裏や合間に入ってくる音、弱い音も聴きとる。
踊りながら全ての音を聴きとるのは難しいので、音楽を集中して聴いてみる。
音楽をきちんと聞けるようになると、振付でどの音を取っているのか、わかるようになります。
*生演奏や踊りを見聴きする
生演奏は耳だけでなく、振動となり全身で聴くことができます。
デジタルの音からは感じ取れない音も全身で感じ取れます。
まさに全身が耳になったような感覚に包まれるので、この状態で自分でも踊ってみてください。
また踊りを見る事は、こういう表現の仕方もある、という自分の引き出しを増やす事ができます。
百聞は一見にしかずという通り、上達には実際に見聴きすることがとても大切です。
以前とあるWSを受けたときに学んだ事。
踊りの映像だけ見て、たとえば違う音楽をあてはめたときに、変わらないようであれば、そのダンサーは音楽を表現しているとは言えない。
他の曲を流しても違和感がないのは、元々の曲を表現しているとは言えないということです。
そしてベリーダンスとは、自分の体から楽器の音が聴こえるよう表現するアートだということ。
その言葉は何年も経った今でも、深く心に残っています。